石塚千晃

石塚千晃/CHIAKI ISHIZUKA

横浜生まれ。
2010年多摩美術大学情報デザイン学科芸術コース卒業,
2015年IAMAS修士課課程修了
近年では生物と人間の相互的関係性が歴史の中でどのように
影響し、関連するのかを可視化する方法を探求している.
生物の自己組織性と人為,環境因子のバランスについてをリサーチ,作品化している。

Born in Yokohama, Japan 2010 Art & Media Course in Information Design Department of Tama Art University 2014 Institute of Advanced Media Arts and Sciences (IAMAS)

展示/Exbition

Exbition 2014 The Molecular Biology Society of Japan Science & Art Exbition 2014 “Materializing II – Between Information and Materiality” The University Art Museum – Tokyo University of the Arts, Japan 2010 Art & Media Course in Information Design Department of Tama Art University guraduation Exbition 2008 “I am media art” Zaim,Yokohama

作品/Works

The Portrait of daucus carota ,(2014)

( media installation/ Video 12min & Photography)

本作品では、文化的な生物との関わりが現れている身近なものとして、野菜の「ニンジン」の様々なありようを、姿形=「Form」にクローズアップして追った。人間の経済的価値観と美的な価値観が混ざりあった姿としての「野菜のニンジン」、その野生化した姿としての「ノラニンジン」、そして自然環境では存在し得ないニンジンのある姿を組織培養によって現前させた「細胞塊(カルス)」を並列に並べ、生命のあり方の領域横断型形態観測を試みる。この形態観察は、自然と人工の境界、人間の価値観を決定づけているものの気配、そしてそれらが効力を持たない世界(現象としての生命)を俯瞰する視点を生み、人間と生物との関わりについて「Form」から探り取る試みを行っている。

 

18pieces

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       http://www.youtube.com/watch?v=4bSKexYj8UA

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<Form>Synthesis, 2013~ 

このリサーチの目的は、「人為」と「環境」と「生物の自己組織性」の三つの要素の流動的なバランスの中で生物の形態がどのように変化するのかを観察し、その結果から、人間がバランサーとしてどのような役割を持つ事ができるかを見いだす事である。栽培種の植物は、人工的な関与のレベルに応じてその姿が異なり、市場価値や流通の都合や人間の古典的な美意識はその形質に現れていて、それは一種のメディアといえる。生物の形態への人間の介入の歴史を参照しながら、植物組織培養によって植物細胞の融合性、全能性を芸術的表現に利用し、新たな自然の概念を見いだしたい。キューブや球体などの規律的な形にカルスを導き、その後カルスの自律性にまかせ、また、植物ホルモン投与や光などの生育環境変化による刺激を与えることで、カルスと人間のインタラクションを考察する。

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Remains, (2010)

(Sound Installation) 

杉苔,アルミ,木,スピーカー,アンプ,音響合成ソフトウエア(Max/Msp)

植物の葉に触れると葉から音が 聞こえる作品。空間内に設置され たマイクによって周りの環境音を リアルタイムに拾い、鑑賞者が葉 に触れ葉に通電すると葉につい た振動子が振動し、マイクで拾っ た音が葉から聞こえてくる。 普段音を発する事の無い植物 が、音を発するようになったら 、どのようなインタラクション が起きるのか、という問いから 生まれた作品。 生きた苔が張り巡らされたス ピーカーボックス。苔に流れる 微弱電流の電位差を音に変換 し、ボックス内部に埋め込まれ た5チャンネルのスピーカーに よって音に包まれる。人が触れ たり、複数人で入ったり、水を やるなど、苔に刺激となる環境 の変化が音の変化を生み、植 物との関わりについてを再認 識するための装置である。

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